らくらくおでかけ度一覧表 †国土交通省は4月9日、鉄軌道駅のバリアフリー化状況を一般に開示する「らくらくおでかけ度一覧表」を公表した。 「らくらくおでかけ度」は、車椅子利用者が単独で利用可能な駅=出入口からすべてのホームまで水平移動またはエレベータにより移動が可能な駅を三つ星、簡単な介助が必要な駅=出入口からすべてのホームまで段差は解消されているが一部、車椅子対応型エスカレータまたは階段昇降機により移動する駅を二つ星、段差が残っている駅=人が車椅子を運ばなければならない駅を一つ星の3段階でランクづけしたもの。 高齢者、障害者等が公共交通機関を円滑に利用できるようにするためには、施設の整備だけでなく、その設備状況をわかりやすい形で情報提供してゆくことが重要である。このため同省は、駅構内のバリアフリー施設、乗換え案内などのバリアフリー情報を統一的に提供するためのシステム「らくらくおでかけネット」を構築し、(財)交通エコロジー・モビリティ財団を運営主体として、本年の1月からインターネットを通じて情報提供を行なってきた。今回は、これらの情報をもとに一覧化している。 「らくらくおでかけ度一覧表」では、1日あたり平均利用者数が5,000人以上の駅を中心として、3,361駅の状況をまとめている。これにより、各事業者のバリアフリー化への取組み内容がわかるとともに、高齢者や障害者等の外出機会、社会参加を促進してゆく。また、事業者間で取組みの比較を行なうことも容易なため、これにより事業者の競争意識を促進させることも目的の一つとなっている。現在のデータは2002年3月19日時点で集計したもので、年度末ごとに更新してゆく。 「らくらくおでかけ度」で判定された例をあげると、最高ランクの三つ星は札幌市営地下鉄…大通・さっぽろ、東武…池袋、小田急…新宿、JR東日本…品川、JR西日本…京都、阪急…梅田、JR四国…高松、西鉄…福岡(天神)など1,199駅。 二つ星は、JR北海道…札幌、JR東日本…仙台・長野・池袋・東京ほか、JR東海…名古屋、名鉄…新名古屋、JR西日本…広島・岡山など526駅となっている。 残る一つ星は1,636駅で、エスカレータや車椅子昇降機の設置も含めれば総数3,361駅のうち約半数まで、バリアフリー化が進展してきたといえる。ただし、複数の鉄道が集まるターミナル駅では、ある事業者が三つ星でも、他の事業者が一つ星であるケースもあり、主要駅ほど横断的なレベルアップが必要である様子をうかがわせる。 なお、交通バリアフリー法は2000年11月に施行されたが、これにより各事業者から国土交通省には「移動円滑化実績等報告書」が提出されており、それに基づくバリアフリー化状況のデータもインターネットを通じて公表されている。 「らくらくおでかけ度一覧表」は、国土交通省ホームページのバリアフリーの項目から入ることができる。 (2002年6月号) 国土交通省〔 http://www.mlit.go.jp/ 〕 |