ジャパンレールパス

 海外から日本に観光目的で訪れる人が購入・利用できるJRグループ共通のフリーパス型の特別企画乗車券で、国内ではなじみが薄いが、昨年度はJRグループ全体で19万枚を発売している。

 誕生は国鉄時代のことで、1981年5月20日に発売が開始された。当時からヨーロッパでは各国鉄の1等車がフリー乗車となる「ユーレイルパス」や、イギリス国鉄がフリー乗車となる「ブリットレイルパス」など、多くのフリーパス型乗車券が用意され、日本人観光客にも愛用されていた。その一方で、外国人が来日したさいのフリーパスはなく、観光客の受け入れを促進するうえでも不備と考えられ、当時の運輸省などでも同種のものを日本でも用意すべきとの意見が強かった。国鉄としては海外のパスと同等の価格設定にすると破格の割引となり、運賃を毎年値上げしていた時期に外国人のみ優遇するわけにいかないとして、発売を見送っていた経緯があるが、国会でも取り上げられたことなどから実現したものである。

 ジャパンレールパスの利用資格は、
(1) 外国から「短期滞在」の入国資格により観光目的で日本を訪れる外国人旅行者(入国審査官からパスポートに「短期滞在」の捺印を受けた人に限る)
(2) 日本国籍をもって外国に居住している人で、
 a) その国に永住権をもつ、
 b) その国に10年以上居住している、
 c) 日本国外に居住する外国人と結婚している
― 場合に限られる。

 外国人の場合、短期間の滞在であっても、「研修」や「興行」などの資格で入国した人は、利用資格を満たすことができない。

 また、ジャパンレールパスは、海外でのみ発売されている。発売個所はJRの指定販売店であるJTB・日本旅行・近畿日本ツーリスト・東急観光・JAL・ANA・JALパック、およびそれらの代理店で、ここで事前に引換証を購入し、日本に入国してから指定の駅の切符売場や旅行センター、全国計43ヵ所で引換証とパスを交換する。

 7日・14日・21日間用があり、それぞれグリーン車用と普通車用、大人用と子供用がある。現在の発売価格は、グリーン車用の14日間用は61,200円(大人)、普通車用は45,100円(同)である。もちろん発売は、発売時の実勢為替レートに基づいた現地通貨でとなっている。なお、最も売れ筋は7日間用で、成田での引換えが半数を占め、京都を含む関西と北海道が人気の集中している旅行先という。

 ジャパンレールパスで利用できるのは、JRグループ全般の鉄道・バス・船舶であり、鉄道は新幹線から普通列車まで乗車できる。グリーン車用で個室を利用する場合や普通車用でのグリーン車利用、および寝台車を利用する場合などは追加料金を支払えば利用できる。しかし、東海道・山陽新幹線については「のぞみ」は除外され、乗車するには、運賃・特急料金・グリーン料金がすべて別途必要である。ビジネス列車としての需要が高く混雑しているとして、高齢者向けのジパング倶楽部による割引、フルムーングリーンパスなどの取扱いと同様の考えを貫いている。JR九州の日韓国際航路「ビートル供廚眤仂欒阿箸覆辰討い襦

 また、近年は整備新幹線の並行在来線が第三セクター化されるケースも発生するようになったが、ジャパンレールパス利用者は基本的に新幹線利用者が多いことを理由に、これら在来線の三セク鉄道を含める動きにはなっていない。同様に、あくまでJRの商品のため、私鉄を含めるような検討がされたこともないようである。

(2003年12月号)

 


Last-modified: Sat, 24 Oct 2009 20:56:41 JST