新大阪連絡線

 阪急電鉄は2002年12月6日、国土交通省に対し、同社が鉄道事業許可を得ていた新大阪連絡線(未開業路線)の一部について、廃止を届け出た。新大阪連絡線は淡路〜新大阪〜十三間4.03kmと、新大阪〜神崎川間2.96kmからなる。このうち廃止を届けたのは淡路〜新大阪間1.68kmと、新大阪〜神崎川間2.96kmで、残る新大阪〜十三間2.35kmについては、工事施工認可申請期限の5年間延長を申請した。

 この新大阪連絡線は、1961年(昭36)に鉄道事業許可を取得した。その整備目的は、(1)飽和状態にある梅田駅への旅客の新大阪駅への分散、(2)神戸・宝塚・京都各線と国土幹線軸上にある新大阪駅との連絡、(3)新大阪を通じた神戸・京都線の直通運転― としていた。以後、用地取得などを続けながら8回にわたり工事施行認可申請期限を延長してきており、この間、1989年の運輸政策審議会第10号答申では輸送需要が増加する京都線の混雑緩和を目的に、2005年までに整備着手するのが適当な路線としても位置付けられた。

 しかし、(1)に対しては1966年から1973年にかけて行なわれた梅田駅の拡張工事、1969年から実施された大阪市交通局堺筋線との相互直通運転により、混雑が解消方向へと進んだ。(3)に対しては、現実の流動は梅田駅へのニーズが圧倒的に高く、梅田駅を経由しない直通運転はかえってサービスの低下となり、需要も期待できないなど当初の整備目的の意義が薄れている。

 また、運政審で答申された京都線混雑緩和の目的に対しては、並行するJRや地下鉄の輸送力増強、さらには近年の輸送量の減少により、運政審が目標に掲げた混雑率150%を下回る144%(2001年度)となっている。今後も大阪外環状線計画をはじめとして、輸送量の減少傾向は続くと見られることなどから、やはり新大阪連絡線整備の意義は薄れたと考えられる。このため、未開業路線であり、代替機能も確保されているとして、淡路〜新大阪間と新大阪〜神崎川間を廃止することにしたもの。

 一方、国土幹線軸と位置付けられる東海道・山陽新幹線との接続向上という目的をもつ新大阪〜十三間については、今後の十三駅や新大阪駅での開発計画などの動向をふまえ、それらとの整合をとりながら整備方針を決定するとして、今回の廃止対象からは除外している。

 なお、事業廃止は廃止日の1年前までに届け出なければならないため、当初の廃止予定日は2003年12月7日とした。ただし、国土交通省が関係地方公共団体や利害関係者に意見聴取を行ない、代替交通機関の未整備などで利便が損なわれるなどの恐れがないときは廃止日を繰り上げることも可能である。これに基づき阪急電鉄は3月1日の廃止を希望しており、大阪府・大阪市もすでにこれに同意していることから、このまま実施される可能性が高い。

(2003年4月号)

 


Last-modified: Sat, 24 Oct 2009 20:57:00 JST