連続立体交差化

 連続立体交差化事業は、市街地において道路と交差している鉄道を一定区間連続して高架化または地下化して、多数の踏切の除去や新設交差道路との立体交差化を一挙に実現するものである。国土交通省が補助する街路事業の一つとして、1969年(昭44)に当時の建設省と運輸省の間で締結された「建運協定」に基づいて行なわれる。

 連続立体化により、踏切遮断による渋滞の解消や無理な踏切横断による事故の解消、さらに分断された市街地の一体化を通じて総合的な街づくりに寄与する。基本的に事業の主体となるのは鉄道会社ではなく、都道府県あるいは政令指定都市が都市計画事業として行なうものとなっているが、鉄道側も、安全性向上のほか、輸送改善に寄与するなどの副次的なメリットがあるため、費用の一部を負担している。また、列車の運行を継続しながらの工事という特殊性から、実際の工事は鉄道側が受託して行なうのがほとんどである。

 連続立体交差事業は、建運協定で次のように規定される。
(1) 鉄道と幹線道路(道路法による一般国道・都道府県道、都市計画法で決定された道路)が2ヵ所以上で交差する、
(2) その交差する幹線道路が350m以上離れている、
(3) 鉄道と道路を同時に3ヵ所以上で立体交差させ、かつ踏切を2ヵ所以上除去すること。

 これにより、交差する幹線道路が1ヵ所であったり、たとえ2ヵ所でも最低350mの距離(近年は緩和規定がある)がないと自動車の集中の解消につながらず、効果が薄いとして猩続瓩箸呂澆覆気譴覆ぁ9颪補助を採択する基準としては、自動車の日交通量が2万台を越えていること、駅前広場の整備など街づくりを含めて10億円以上の規模となることが条件に挙げられる。

 ちなみに、「(連続立体化により)3ヵ所の踏切を解消し、5ヵ所の道路と交差する」などと表現されるが、この場合は踏切で渡っていた既存の交差道路3本と、ほかに新たに作られる2本の都市計画道路と立体交差することを意味している。

 また、鉄道の高架化にさいしては、線路脇に住居用に供する土地が続く場合には環境整備のために関連側道を設ける必要がある。一方、高架下については、鉄道事業者の業務に支障ない範囲で地方自治体が公共のための施設を設置する協議ができるとされている。

 連続立体交差事業の事業費は、基本的に道路整備特別会計予算から出され、ガソリン税や自動車重量税が財源になる。鉄道側の負担割合は、事業費全体に対して東京23区内の14%から人口30万人未満の都市の5%まで4段階で決められている。要は都市が巨大なほど、鉄道側のメリットも大きいとして負担割合が高い。

 また、都市計画事業者側が負担する部分については、国庫補助が50%、当該の地方自治体の負担が50%で折半する。この地方負担分は、直接的な恩恵を享受する地元自治体(市区町村)で負担する割合が都道府県ごとに定められている。

 なお、連続立体交差に対して単独立体交差がある。連続立体交差化の条件に該当しない立体交差は、たいてい道路の側で対処する。鉄道を高架化(または地下化)する場合も、当然ながら連続立体化の枠組みでの補助はない。

(2003年11月号)

 


Last-modified: Sat, 24 Oct 2009 20:57:11 JST