ISO14001

 地球規模での環境保護意識の高まりを背景として、日本でもISO14001を取得する企業が増えており、鉄道事業者も2001年8月現在、22ヵ所の事業所が取得している。また、最近では二酸化炭素排出量が少ない鉄道へのモーダルシフトを進めるため、企業が原料・製品輸送に鉄道を利用することが認証の一つの判断基準になったことも、鉄道にとっての大きな話題である。

 国際標準化機構(International Organization for Standardization)は、ものやサービスの仕様・水準を一定基準で判断するために、世界標準の規格を定めている。これがISOで、法的拘束力はないが、最近は国際社会をフィールドにした商品・企業活動にとっては、事実上の統一規格となっている。写真フィルムの「ISO400」なども、世界的にその一定感度で共通していることを示すものである。

 最近とくに話題になっているのが、環境管理システム・環境監査・ライフサイクルアセスメントなど地球環境に関係する規格で、ISO14000シリーズと呼ばれる。これは品質管理の国際規格‐ISO9000シリーズと同様に、製品そのものではなく製品提供のプロセスについて統一基準を示すもので、ヨーロッパを中心に企業間取引、政府調達の条件とするケースが広がった。

 現在、多くの企業が取得、あるいは取得をめざす「環境管理システム規格」すなわちISO14001は1996年に発効され、環境保全・改善のための経営方針と行動計画の策定、行動計画実行・運用のための環境管理体制の整備と監査・是正を3年ごとに継続することを盛り込んでいる。この基準を満たすということは、環境にきちんと配慮した企業であるとの証明が世界的になされ、したがって、そこで生み出される製品の価値と競争力が高まるのである。

 各鉄道企業の工場などは、国内外に向けてプロダクツ製品を売り出す活動とは異なり、ISO14001の取得が売上げに直結するものとはいえないが、鉄道は従来からエネルギー効率がよく、環境負荷の少ない輸送機関であり、そのことをアピールすることは重要であるし、地域に根付く企業の姿勢を示すことにもなる。社内に専門部署を設ける事業者も増えている。また、今後の環境問題にかかわる法律・規制強化を先取りしておく必要もある。リサイクル等の体制を確立することで、コストダウンにつながるなど現実的な効果も現われるのである。

鉄道総合技術研究所

 この認証を行なうには、申請を審査・判断して認証する機関が必要であり、日本におけるその一つに鉄道総合技術研究所があげられる。上記の理由から鉄道においてもマネジメントとして環境に取り組む必要があるため、鉄道の専門性を有する審査機関として1999年7月1日、鉄道総研内に、日本におけるISO審査・認定機関である(財)日本適合性認定協会により認定された「ISO14001審査登録センター」が発足した。

 また現在、鉄道関係でISO14001を取得しているのは、JR西日本博多総合車両所、JR九州小倉工場、近畿日本鉄道技術研究所、名古屋鉄道舞木定期検査場、JR西日本金沢総合車両所、JR西日本岡山新幹線電気区、JR貨物小倉車両所などがあげられる。

(2001年11月号)


Last-modified: Sat, 24 Oct 2009 20:56:30 JST