Suica

 2001年11月18日、JR東日本は首都圏〜東京近郊エリアで、ICカードによる新しい自動出改札システム「Suica(スイカ)」の運用を開始した。利用可能駅は424駅で、これまで世界最大のシステムだった香港の「八達通(オクトパス)」を上回る利用が期待されている。Suicaは、Super Urban Intelligent Cardの略であるが、「スイスイ行けるICカード」の意味も込められている。

 ICチップを内蔵したカードを自動改札機の上面のリーダーライターに接触させる(または至近距離にかざす)と、入出場記録と減算がなされ、従来の磁気カードのように改札機に投入して内部を通過させる必要がないため、定期券入れに出し入れする手間も省けて、通過がスムーズになる。

 JR東日本は1987年の会社発足時からICカードの鉄道への応用について検討・開発を始め、鉄道総合技術研究所での試作機をベースに改良を重ねた。その間に、磁気カード式のイオカードが導入され、ストアードフェアシステムが実現したが、1998年にはICカードの実用化が可能と判断され、プロジェクトチームを組んで実用化へと向かった。過去3回のフィールドテストをふまえて、2001年4月8日から7月8日まで埼京線恵比寿〜川越間各駅で1万人規模のモニター試験を実施し、所期の結果を得たことから、本格的な導入となった。

Suica イオカード

 Suicaには、「Suicaイオカード」と「Suica定期券」がある。Suicaイオカードは従来の磁気カード式イオカードの機能をもつものだが、1枚のカードは使い切りではない点が異なる。発売額は2,000円だが、一度購入したカードは窓口や自動券売機や自動精算機で最高20,000円までチャージすることができ、それを何度も繰り返すことができる。そのため、最初の2,000円のうち500円はデポジット料金(預託金)で、カードを使用しなくなったさいに返納すれば、500円も返却されるシステムである。

 一方、Suica定期券は、定期券にプリペイド機能を加えたもので、新規購入時は定期券本体だけでチャージ額は0だが、券売機等を使用して最高20,000円までチャージが可能で、そうすることにより、定期券面区間外に乗り越したり区間外を乗車する場合でも、別のカードを用いたり、別途精算する必要がない。定期券の更新時も、券面表記を書き換えて同じカードを継続して使用できる。(デポジットはSuicaイオカードと同様)

 また、情報量が格段に多いICを用いているため、所有者の情報がインプットされており、定期券を紛失した場合の再発行が可能になった。つまり、紛失や盗難を届け出ればすべての自動改札機等にそのカードの使用停止情報が送られ、他人の使用を未然に防止できるので、新たなカードを発行できるようになったのである。

 従来のフルスペックの自動改札機のほかに無人駅用の簡易改札機も開発され、無人駅での使用が可能になったことも大きな変化で、現在72駅に設置され、2002年3月までにさらに37駅拡大される。

 さらに将来的には、新幹線や東京近郊区間以遠での展開、他の鉄道会社との共通化をめざすとともに、Viewカードとの一体化や電子マネー機能の付加、さらには携帯電話にICチップを搭載して、どこでも切符を買えるようにしたり、携帯電話を通じて商品案内をしたりするなどの新ビジネスも考えられているという。

(2002年2月号)


Last-modified: Sat, 24 Oct 2009 20:56:33 JST